用途を変えてみる

~ 新しい切り口を探そう ~
メーカーでも販売業でも、売る側は自分たちが売っている商品の用途を自分達で限定し、このように使うものだと思い込んでしまうことが多くあります。
商品の用途や使用シーンはある程度、決めていかないと販売促進策などは作りにくいので、この思い込みは仕方がないのかも知れません。

しかし新しいお客様づくりを考えてみようと思ったときにはこの固定的な考えを一旦、崩して柔軟な発想を持つのも悪くありません。

用途を変えてみるために全く想定外の使い方を探してみましょう。

例えばポカリスエットはもともと点滴などで使う輸液でした。手術中に喉が渇いた医師が輸液を飲んでいたのをメーカーが知って開発されたそうです。元来、輸液は飲み物ではありませんが偶然にも「飲み物」になったことで新たな用途が見つかったわけです。

新しい用途が見つかると、新たな市場が目の前に広がります。ポカリスエットの場合は「医薬品」から「飲料」の市場が広がってきました。

新たな市場に乗り出すのは知識が足りなかったり、今まで培ってきた経験を活かせなかったりするので不安が伴います。しかし、用途を変えて新たな市場が目の前に拓けてきたならば、市場の事を調べチャレンジしてみるべきです。

こうした「全く想定外の使い方」は「お客様から使い方を聞かせてもらう」と見つかります。定期的に利用に関するアンケートやグループインタビューを実施してどう使われているのか、それほどサンプル数は多くなくても構いませんので実態調査をしてみましょう。

例えば製品に「商品利用に関するお伺い」と言ったアンケートはがきを仕込んでおくのも良いでしょう。情報が得られれば「こんな使い方しているんだ」と目から鱗の話が見つかると思います。地道にお客様と対話すること。それが新しいお客様づくにつながっていくのです。